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セーフティーマンの物語(1996年の記事)

　米国では３年前から「セーフティーマン」と呼ばれる身長１８３ｃｍ・体重８２Ｋｇ・胸囲１０７ｃｍの頑強で物静かな男が、カージャッカーや強盗から市民を安全に守っています。
彼の活躍は全米の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で大々的に何度も取り上げられており、映画にも出演しました。
日本においても紹介されており、知っている方もいると思います。

　２０年前は核戦争の脅威でしたが、現在の米国人の一番の関心は、自分の安全についてです。
特に女性一人は狙われています。
ある凶悪犯罪者は、相手が二人以上ならターゲットにしないと証言しています。
犯罪者は、無人であったり相手が自分より弱い一人だけの時に泥棒や強盗を働きます。
セーフティーマンは、この犯罪者の心理をついて被害をスマートに防いでくれます。
いつもお供をしても無駄口をたたくことは無く、忍耐強く留守番もして、しかも食事も睡眠も給料も要求しません。

　治安がいいと言われてきた我が国も、最近は犯罪が増加し、何かと物騒になって来ています。
去年の秋に日本の市民の安全を守るために日本人のセーフティーマンが来日しました。
頑強な体格で犯罪に対処できる知的な顔立ちの中年男が、一番手として選ばれました。
彼が横にいれば暴漢よけになり、彼が家にいれば泥棒よけになります。

　セーフティーマンは等身大のダミー人形で、顔と手をプラスチックでリアルに作ってあり、身体は強化ビニール製で付属のエアーポンプで膨らませます。
服を着せることによりビニールの身体は隠れ、毛髪や精巧な眼球のある顔と手首が露出するので本物の人間に見えます。
さらに姿勢・サングラス・帽子・メーキャップ等の工夫を加えると、人形とは思えません。
服はＬＬサイズ、首の向きは変えられます。腰掛けた姿勢で、直立した姿勢はとれません。
「ひざ」と「うで」は、曲がります。
重さは３Ｋｇと軽量で、空気を抜けば小さくたため３０ｃｍ四角の箱に入り、運搬や格納に便利です。

セーフティーマンの誕生

米国において	1993年06月	初期縫いぐるみ型アメリカ人タイプ誕生
	1995年10月	現在のふうせん型アメリカ人タイプ誕生
	1996年02月	日本人タイプ製作準備
日本において	1996年04月	アメリカ人タイプ輸入販売開始
日本において	1996年10月	日本人タイプ輸入販売開始

セーフティーマンの利用法

車・家庭・事務所・店舗・工場等の無人になるところに置いて泥棒よけ。
ちょっとした人影にも敏感になる犯罪者の心理を突き、空き巣狙いや押し込み強盗を防ぐ最も革新的な解決手段となる。息をひそめ忍び込んできた侵入者、なんだ誰かいるじゃんとがっかり帰る。
窓際に置いて、人の気配を感じさせる。
悪質なセールスマンの撃退用に、玄関から背中が見えるように置く。
一人暮らしをカモフラージュするときは、郵便受けの名前を男性名にしたり、男物のパンツを洗濯物と一緒に干す。セーフティーマンが居れば、その人影が防衛に役立つ。
女性の一人運転の時に助手席に座らせれば、嫌がらせを防衛できる。ごつい男が横にいれば、手を出しにくい。
夜、店から出た時、変な男について来られたら、「お待たせ」と声をかけながら、セーフティーマンのいる車に乗り込めば、変態男をわけなく撃退できる。
大切な娘さんの車の助手席に座らせて置けば、防犯と同時に虫除けになる。
大きな縫いぐるみの代わりのインテリアにもなり、着せ替え人形としても遊べる。
この商品を所有し人に見せれば、受けるという要素が有る。
人形という名称であると用途を疑われ購入しにくい面が有るが、「防犯」人形と大義名分が有り、正々堂々とした目的が被さっているので、購入しやすい。
センサー等を使うハイテクな防犯装置でなく、犯罪者の心理に訴える防犯装置というところに面白さが有る。